2005年1月13日

Discs of 2004

 実は去年大してレコードを買っていないんですが、間違いなくGreendayの♪American Idiotです。これは素晴らしいです。名盤です。以上です。
 あえて蛇足すると、これまでのグリーンデイのような荒削りっぽさや単調な感じは全くなく、極めて綿密に作りこまれています。まるで別のバンドが作ったかと思えるような充実度です。サウンドの感じとしては、私の好きな90年代の音楽の総集編、美味しいところ取りといったところでしょうか。
 1曲1曲が少しでも似ないように、かなり入念なアレンジがされています。今後のロックの流行りを決定付けたかな、と思うのが、2段階組曲とでも呼べそうなアレンジです。すでに、ロックでできるアレンジは出し尽くされているといっても過言ではないようで、どうしてもありきたりになってしまうのが21世紀の常です。しかし、これまでグリーンデイが1曲分としてきたアレンジ(コード進行など)を2曲分集め、このアルバムの1曲とすることで、かなりの跳躍度、ステージの違いを示しています。そして、それが違和感なくドッキングされているところがなお素晴らしいです。まあそういうアレンジは彼らの専売特許ではなく、横山君のソロの♪eight-hour-driveでもありましたけどね。比較して申し訳ないですが、グリーンデイのアレンジが意識的に使われており、数段優っています。このアルバムで私が最も好きな曲は、今日の気分で13曲目Whatsernameですかね。カラオケでも歌いたいです。
 番外編でRocket K(オフィシャルサイト)の♪RADIO GROOOVIE DRUNKERSを挙げます。今はそれほど聴いていませんが、去年はまあまあ聴きました。フジテレビの深夜番組でたまたまこいつらを見かけ、なかなか良かったので買いました。ややキャッチーすぎる(いわゆるベタすぎる)と感じ、大宮の視聴コーナーで悩みつつも、悩んだら買えという鉄則に従って良かった作品です。購入の決め手は、こいつらにとって音楽がなくなったら、時給700円のバイトもまともにできないくらいのダメ人間臭が漂ったからです。音楽で食える人間は、ある意味社会不適合者でないとダメ、ということです。何といっても値段が税込み2100円というのが素晴らしいです。そもそも日本のCDはだいたい3000円もするので、これじゃあ若者が買わなくなっても(違法ダウンロードがはびこっても)仕方ないと思います。アメリカでは新作のアルバムでも2000円払えばお釣りがかえってくるくらいの相場です。サウンドは、いわゆるポップでパンクでキャッチーな感じでしょうか。AFNで聞けるようなご機嫌なロックです。この手のノリは割と万人に受け入れられやすいと思います。また、全編英語の歌詞で、それもまた彼らのこだわり、チャレンジ精神として評価できます。私も日本語のロックは英語のロックとまるで別物であると考えている一人です。
 このアルバムはいわゆるインディ系の自社レーベル(こちら)から発売されています。私は別にインディ(ここでは、小規模な独立系レコード会社)とか国籍、性別、人種などで作品を判断することはありません。良いものはどれでも積極的に受け入れようとしていますし、そういう意味では割と寛容・無関心です。
 ただし、インディゆえのB級っぽさも漂っていることは否定できません。歌詞カードがない(メールで送信してもらえます)のはコストカットのためでしょうか。邦盤のオリジナル作品では初めてでした。勘弁してください。 まずメロディーに英語を乗せる技術が、私の知っている日本人ではダントツ下手くそです(最も上手いと思うのがCocco。天才的の領域に入る)。早すぎて何言っているのかよくわからなかったり、韻も踏んでいないし(踏まなければならないというわけでもないが)、歌詞も2番まで書くボキャブラリーがないのか、歌詞というよりは日記というような感じ・・・、これら全て英語力の乏しさが原因となっているのでは、と思われます。これをカラオケで歌おうとするには、ちょっと抵抗があります。少なくとも私にいちゃもんつけられないためには、数ヶ月レベルの海外生活を経験すると、もっと表現力がアップすると思います。ちなみに、ベース以外はアレンジがちょっと単調です。
 私の好きなハイスタもレコード会社を作って、自分たちでプロモーションやら何やらを手がけていました。ハイスタとRocket Kの共通点として、やはり勢いがあるということです。それはロックにとって最も重要な要素のひとつであり、成熟したグリーンデイにはやや出しにくいところと言えばそうです。合法的な視聴もできるので、ぜひお聞きください。

2005年1月5日

勝手に2004AWARD~ブック編

 本日の日経新聞に2004年の名商品(?)を賞賛する企画がありました。その表彰が2月に行われるということなので、私もあきらめず去年の記憶に残ることを振り返りたいと思います。私個人としては別に2004年も2005年も大きな違いはありませんが、何となく事をすっきりするには良い機会かな、と思っています。
 まずは、ザ・ブック・オブ・ザ・イヤーということです。私は学生なのでいろいろ本を読むことが仕事です。マニアックな専門書も読み、特に2004年に発売されたものでもないのですが、皆様にもわかるような個人的に感慨深い本を紹介します。
 それはもちろん、私が敬愛するアーセン・ベンゲル監督の「勝者のエスプリ」と「勝者のヴィジョン」です。サッカーという最も国際的なスポーツのひとつにおける国際コミュニケーション、海外におけるガイジン、といったむしろサッカーを通じて人間は海外でどう振舞うべきかといった人間の本質に関わる話です。一文一文が非常に質が高いです。この本には小難しいサッカーの専門用語などほとんど出てきません。特別サッカーに詳しくなくても容易に読破することができます。今更の紹介ですが、サッカーファンならば、必読の書と言えます。古本屋でも比較的入手しやすいと思われます。