2005年4月9日

いろいろ恋しくなること

 インターネット開通(NTT局内工事)は12日となったので、本格的な更新は来週からとなります。
 先日家を出る前にたまたまテレビをつけていて、フジテレビの「とくダネ!」のオープニングで小倉アナがそれについて述べていました。サッカー日本代表の視聴率は常に関東の方が関西より高いのは、関西特有の地方意識だとか、阪神が人気があるからだとか、いろいろと述べていました。
 確かにこちら(関西エリア)はサッカー環境がかなり悪いと感じます。娯楽といえば、こちらでは阪神タイガースとお笑いを指すのか、少なくとも地上波のサッカー放送は関東に比べて極端に少ないというか、はっきり言って日本代表の試合以外、ほとんどないに等しいです。
 住めば都ということで、私もこちらでの生活には慣れつつあります。家が多少駅から遠いとかコンビニが歩いていける距離にないとか、多少不便は感じますが、典型的な住宅街で結構静かな環境は気に入っています。
 最後に、こちらの生活でちょっと関東が恋しくなるというか愚痴をいくつか。
 ①AFNが全く入らない
 ②ローカル放送は野球とお笑いが多い(サッカーが少ない、ローカルなTVタレントについていけない)    
 ③後楽園ホールがない
 ④店の名前が違う

 ①AFNというのは米軍放送で、24時間英語のラジオ番組のことです。関東ではAM810でよく聞いていました。英語の勉強も兼ねた最も好きなラジオ番組だっただけに、その衝撃は計り知れないです。滅多にラジオを聞かなくなりました。
 ②最近は巨人と阪神の試合がそれぞれ同じ時間に放送されるということもよくあります。阪神はともかく、今年の清原選手などは関西で放送禁止かと思っていました。
 ③ボクシングとか格闘技のイベントも、阪神&お笑いによる独占のためか、東京より少ないように感じます。
 ④これはただの愚痴です。住んでからまだ2週間ほどなので、どこにどんな店があるのか、店の名前と業種がいまいちわかりません。100円ショップが自転車圏に少なくとも3店あることは驚きです(感謝)。
 この年になって新しい環境でさまざまなことをやり直すのは億劫かなと思っていましたが、これも新しい挑戦ですので、がんばりたいと思います。経済学はあまり得意でないので、関東人でも関西で笑いを取れるんだ、ということを主に意識してやってきたいです。

2005年3月10日

チェルシー対バルセロナ~歴史的名勝負

 たった今昨夜というか未明に放送されたチェルシー対バルセロナを見終わりました。
 感想を一言でまとめると、私のサッカー人生の中で最も素晴らしい試合の一つというか、おそらくベストマッチだと思います。消耗の程度はチェルシーの方がひどかったと思います。主力のフォワードを欠き、多少集中力が切れる時間帯もあり、正直よく勝てたなと思うくらいです。私が適当な解説をすると蛇足になってしまうので、とにかく皆さんもこの試合を見て欲しいと思うのです。4-2というスコアも異常でしたが(もちろん私はチェルシーの1-0で勝利と予想した)、その攻防の激しい移り変わりは、90分間を全く苦痛に感じさせない試合でした。深夜観戦組の皆さんも、眠気を吹き飛ばして楽しむことが出来たのではないでしょうか。
 うまく言葉になりませんが、4点目のゴール、コーナーからTerryのヘッドで私の心はメロメロになり、試合が終わって私は「すげぇ感動した・・・」とつぶやき、なぜか涙が出てきました。サッカーで不覚にも泣いてしまうことは滅多にないですが、チェルシーには二度目です。私は彼らに振り回されています。
 この感動を上手く伝えられませんが、とにかくCLはとても素晴らしいということです。特に2ndレグは勝利のための得点差が明確になっており、それも試合を面白くさせる要因かと思われます。また毎日のようにサッカーを見る日々になります。できれば今夜ミラン対マンチェスターユナイテッドを見て、明日レアル対ユベントスを見て、明後日アーセナル対バイエルンを見ます(インターネットで)。皆さんもお見逃しなく。
 余談ですが、フローランさんが解説に来ると、かなりの高い確率で良い試合になりそうな気がします。清水さんの解説はつまらなすぎです。松木に毛が生えた程度です。

2005年3月7日

♪それ行け湘南

 土曜日にベルマーレの試合を見に行ってきました。
 「国籍や人種でサッカーを差別する趣味は全くない」というのは、否定的な意味(○×人のサッカー選手は見ないね、のような)ではなく、肯定的なニュアンス(特に感情的にどのチームも応援しない、のような)を込めて書いたような気がしますが、そんなクールな感情は、約2年ぶりの平塚競技場で粉々に打ち砕かれました。
 この日、スタジアムに集まったのは老若男女(年齢層は意外にも幅広かった)は、何と約7700人でした。自由席(と指定席しかない)はほぼ満員、去年は平均して3000人っぽっちの閑散としたスタジアムとはえらい違いでした。
 私は常々、「ベルマーレ」という単語をこのホームページでタイプするたびに、居場所のないような思いをしてきました。「どうせこのサイトを訪れる人々は、ディスプレイの前でこの単語を見て冷たい反応をしているんだろうな…」と。しかし、平塚競技場では多くのベルマーレサポーター(そんなものは実在しないと思っていた)が、大きな声でベルマーレを応援するのです。そして、ファンは一人一人試合の流れに応じて、喜んだり残念がったり、感情を表現するのです。公の場所でベルマーレを応援する楽しさというものを、この平塚競技場で2000円(前売大人自由席)を払って理解できたような気がしました。「そうか、サッカーの楽しさって、見るのもやるのも感情を共有することなんだ…」と。スタジアムで「やった~!」「おっしゃ~!」、「あ~」、「審判オフサイドわかってんのか!」、「○*$%(放送禁止用語)!!!」など、一喜一憂するのは、とても楽しかったです。私も平塚なまりで声援を送ったものです。在日朝鮮人の皆さんが先日のワールドカップ予選で、大きな声で堂々と国家を歌っている気持ちが良くわかったような気もします。
 地元に応援するチームがあるって良いもんです。皆さんもスタジアムまで出かけましょう。

2005年3月5日

チャンピオンズ・リーグは絶対に楽しい

 書きたいことはいろいろあるのですが、とりあえずサッカーサイトとして、例のUEFAチャンピオンズ・リーグの決勝トーナメント1回戦第1試合、8試合中主な4試合(チェルシーvs.バルセロナ、ミランvs.マンチェスターユナイテッド、アーセナルvs.バイエルン、ユベントスvs.レアル・マドリー)をようやく見終わりました。いやはや、とても勉強になりました。
 このインターネット実況は、解説どころか経過時間すら表示されないという愛想のなさです。試合開始前のスタメンとフォーメーション、イエローカードと得点、選手交代くらいしか情報が与えられません。時間はストップウォッチを使えばいいですが、解説がないと特に主力選手の欠場した理由や途中交代の背景などがわからず、私がここで試合のコメントをするには結構難しいものがあります。ただ、最近の日本代表と比較するという観点からは、かなり有意義なネタを得られました。簡単にまとめると、先日の国内組対北朝鮮代表の試合では、予選リーグはあっさり敗退してしまうということです。その辺は、また別の機会にコメントします。
 現時点でCLは、去年のJリーグCSのように180分の試合のうち前半90分が終わったと考え、次は1試合くらいコメントが出来たらいいかな、というつもりです。これまでの戦いもチェックして試合に望みたいと思います。
 これら4試合中、ベストマッチはダントツでミランvs.マンチェスターユナイテッドです。これは文句なくウィークリーベストマッチでしょう。青嶋&風間&トニー(もしくはフローラン)さんらの解説があったら最高だったのに・・・と惜しまれるほどの試合でした。お互いパス回しが抜群にうまく、ホームアウェイ関係なく攻撃の手を緩めず、1点を奪おうとする姿勢には何とも感動したものです。私はサー・ファーガソン監督がRonaldo(ガチャピンじゃない方)に代えてオランダのVan Nistelrooyを投入したのが敗因だと思いました。代えるならRooneyだと思ったものですが、その辺の背景はどうなんでしょうか。
 フジテレビでは、ユーベ対レアルが放送されました。これはNEDVEDが退場してからユーベが極端に流れを悪くし、1-0で負けても次のホームで決着をつけようという感じがしました。私はあまりレアルが好きではないのですが、パス回しと運動量が有機的に結びつき、正直とても魅了されました。 そしてここからが本題ですが、フジテレビでは次の決勝トーナメント1回戦第2試合、ミランvs.マンチェスターユナイテッドを放送するんですね。レアルブランドに頼って放送しているのかと思いきや、良い試合を放送しようという意図があって素晴らしいですね。皆さんもぜひお見逃しなく。プレミア贔屓の私としては、マンUの試合にも心を惹かれます。

2005年3月4日

祝! Jリーグ開幕

 続きです。個人的には、国籍や人種でサッカーを差別する趣味は全くないのですが、まあ国内で身近にそこそこのレベルのサッカーが見られるというのもそれなりに嬉しいことです。よく考えたら、明日J1もJ2も開幕するのに、なぜ寒空の下、俺はあえてベルマーレなんかの試合を見に行くのだろう、なぜマリノス対ジュビロの試合をテレビ観戦しないのだろう、と疑問が沸きました。選択肢がいくつもあれば、国籍を問わず最も質の高いものを選ぶのが当然ですが、私は地元の貧乏くじを悪乗りで購入してしまったかもしれません。まあ久し振りにホームの平塚競技場に行くのは良いことです、と誰か納得させてください。

2005年3月2日

大学院は楽しそうだ

 昨日大宮に行って、関西の生活はどんなものかとアルシェの地下1階で占ってもらいました。
 タロットカード占いみたいなものの結果を要約すると、「あなたは攻撃的な人ね」、「理屈っぽいわね」、「働き蜂みたいな人ね」、「気管支が弱点ね」、「あなたは女性にとてもモテるでしょう」などとリップサービスなのか何だかよくわからない非常に興味深いアドバイスをいただきました。「あなた来週交通事故で死にますよ」と言われた方が、ホームページのネタとしては面白かったのですが、あまり悪いことを言われず、税込み3150円で約20分間楽しい時間を過ごせました。
 その後、東京のちょっと高級な居酒屋(新橋や有楽町系ではないから、客層も高級らしい)でゼミの卒業生、某国立大学院生らとお食事をしました。私はいろいろと大学院生はどんなものかと質問したり、彼らから院生生活について話してもらったりして、新しい生活が非常に楽しみになってきました。卒業を返上した1年間はかなり大変でしたが、努力が実を結び、4月から大学院で「女性にとてもモテる」と妄想すると楽しい限りです。
 あと、今月は新幹線の移動時間が長いため、大宮のジュンク堂で、イングランドのフーリガンが書いた「ぼくのプレミア・ライフ」と売れっ子村上春樹の文庫最新作「海辺のカフカ」と現在休載中の山本英夫の最新作「ホムンクルス第5巻」を購入しました。漫画は電車の中で読み終わりました。かなり面白かったです。
 そういえば、サイト開設1周年記念でした。細く長く執念深くやっていくつもりですので、今後ともよろしくお願いします。

2005年2月26日

FAカップ(マンU対エバートンなど)も熱い

 先週のFAカップ、マンU対エバートンを遂に見ました。いやはや、やはり私の好みのプレミアリーグです。マンUの試合は確か初めて見ましたが、馬っぽいオランダのストライカーを休ませて、エバートンを寄せ付けないマンUの試合巧者ぶりはすばらしかったです。90分間はあっという間でした。特に記憶に残った選手は、闘将ロイ、ガチャピンじゃないハンサムなロナウドなど、本当に金を払って見る価値のある試合を楽しませていただき感謝です。
 また、エバートンのサポーターに対して「熱い少年達… 最前列…」という青嶋さんのコメントにもしびれました。少し前のセリエAの試合で、負傷して包帯の応急処置した選手に対して「○○(選手の名前)頭グルグル巻き」というコメントより良かったです。風間&青嶋コンビで、深夜向けの私のようなマニアが満足するような試合を放送していただき、生きる希望を与えてくださり、感謝の言葉もありません。今度はトニーさんもお願いします。
 サッカーといえばチャンピオンズ・リーグですね。こちらはOCNのコンテンツ会員に登録し、いつでもインターネットで試合を楽しめるようになりました。家でネットをする時間があまりないのですが、今夜か明日あたり、早速ひいきのプレミア勢の試合を見たいです。なお、ネタばれを警戒するあまり(現在情報をシャットアウト中)、陸の孤島です。

チャンピオンズ・リーグは熱すぎる

 今UEFAの日本語サイトの有料コンテンツ、月額630円でCLに加えEUROも見られるというコンテンツ(こちら)を試してみました。もちろんチェルシー対バルセロナを見ましたが、いやはや、非常に感動です。解説は一切ありませんが、私のサイトのレベルについてこられる玄人の方、そうなりたいと思っている方、非常にオススメしたいです。私の春休みの娯楽はインターネットでCLとEUROに決まりました。明日というか日曜日の深夜にフジテレビでレアル対ユーベが放送されますが、その感動を理解できる方は、ぜひ会員になりましょう。たったの630円、約5ユーロですよぉ!!!

2005年2月23日

いざ関西エリアへ

 ご報告が遅れましたが、遂に私某国立大学の大学院に合格することができました。ここであまり詳しく書くと、学歴を振り回す嫌な奴と思われますし、自分自身そういう趣味はないので、簡単に書くと、バリバリの関東人の私が関西に進出することになったということです。
 正直、ホームを離れるのは寂しい気持ちがあります。しかし、新しい環境で新しい挑戦をすることで、自分の成長につながるのではないか、と考えています。サッカー選手も、チームが変わったことで才能が開花するということも珍しくないですよね。新しい生活が楽しみですけど、二流の私立大学からそこそこの国立大学で通用するのかどうかが早くも不安です。
 自分としては、あまり合格に実感が湧かなかったのですが、最近親戚や友人にお別れの挨拶などをしていると、誰もがおめでとうと言ってくださり、滅多に褒められない自分としては何だかとても嬉しかったです。確かに、私の大学からそこの大学院に行く人は皆無なんですけどね。一年充電した甲斐があり、結果を出せたことで多少自信を得られたような気がします。
 というわけで、最近は勉強の傍ら引越しの準備などでめんどいです。過去の思い出を処分したり、友人と最後の晩餐をしたりと案外多忙になってしまいました。三月は毎週のようにのぞみにのって関東~関西を行ったり来たりの日々です。
 関東にいるうちに特に注目している最後の思い出作りイベントは、3月5日平塚競技場のベルマーレ対横浜FCの開幕戦です。引越しの準備があるのにあえてサッカーを見に行くので、両親に「そんなにベルマーレのファンだったけ?」と言われ、ちょっと心が揺らぎました。しかし、某北大に進学した友人はベルマーレのために早朝便の飛行機で帰郷するので、私も負けていられません。
 とはいえ、某梅屋という平塚で唯一の百貨店にあるベルマーレのチケット売場で、「開幕戦の大人自由席のチケットください」と言ったら、お店の人に「オープン戦のチケットですね(そういう呼び方もあるのか、と思った)」と言われ、なぜか危うく野球のチケットを買わされそうになりました。結局「あの、ベルマーレなんですけど・・・」と低いテンションでチケットを買い、何だか買わなきゃ良かったと思った次第です。
 関西エリアの皆様、今後ともチキンワイヤーをよろしくお願いします。

2005年2月8日

日本対北朝鮮見に行きます!

先ほど在日朝鮮人の友人に電話したところ

私「そちらは明日試合ということで、いろいろ盛り上がっているそうじゃないですか?」
Cさん「ははは。Sさん(私のこと)は明日応援に行くんですか?」
私「いや、テレビ観戦ですよ」
Cさん「じゃあ明日見に行きましょうよ」
私「え? チケットあるんですか?」
Cさん「あります、あります。」


 という感じで、チョヌン イルボン サラミエヨ(私は日本人です)が、なぜだか明日北朝鮮側で試合を観戦することになりました!
 え~、サッカー日本代表史上最大のブーイングをなぜだか日本人が浴びることになりそうですが、それもまた貴重な経験だと思います。私は日頃から居場所がない人間なのですが、圧倒的な在日朝鮮人の皆様に囲まれて、超圧倒的な日本人にブーイングされるとは夢にも思いませんでした。しかも、これが代表初の観戦です。
 明日は心の中では日本代表を応援し、表面上は「イギョラ!(頑張れ!の意味。それしか知りません)」と北朝鮮を応援するフリをします。北朝鮮サポーターに溶け込むためにも、「小○原氏ねよ、このチョッパリが!」くらいは叫びます。

 FIFAからも北朝鮮のユニフォームを着ないようにとか(いわゆるアジアカップの中国で日本をアピールするべきではない、といった)お触れが出ているそうです。かといって、Cさんからも「間違って日本代表の青いユニフォームを着て来たら、在日朝鮮人に血祭りにされて赤いユニフォームになっちゃうよ」と言われ、日本人がホームとアウェイの狭間で苦悩することになりました。
 このような経験を踏まえて、私たち日本人は在日の人々の心を理解することができるのではないでしょうか。思い出作りと身の安全のために、北朝鮮サポーター向けの赤いTシャツを買おうかと思います。それでも私は日本人に見えると思いますけどね。赤っぽいコートあったっけな。
 他にもいろいろとギャグなんだかマジなんだかわからないような朝鮮中央テレビのような話を聞かされました。まあ私としては、サッカーで盛り上がるのは良いと思います。もし私が日本側のサポーター席に陣取れば、間違いなく喉が壊れるまでブーイングするでしょう。それがアウェイの洗礼ってもんです。ただし、サッカーと関係ない暴力やらはタブーですね。私としては、そんなアホなサポーターはほとんどいないと信じています(というか、マジで頼む)。在日プレイヤーもサポーターの皆さんも、試合を通じて良い関係を築くことを願っているはずです。私もそうなることを祈っています。そして自分の無事も祈っています。

 というわけで、レポートの更新は遅れます。試合は録画して、復習してから執筆します。日本人が北朝鮮側のチケットを入手するのは、ある意味普通にチケットを入手するよりも難しいでしょうね。これはかなり面白いネタになりそうです。Cさんも、日本に有利となるようなレポートを執筆させないよう、単純に妨害するつもりで試合に誘ってくれたものだと警戒することにします。

追伸:もし長い間更新されなかったら、心無き日本人サポーターに日本人が殺られた、と思ってください。遺書のつもりでひとりごとを執筆しました。はっきりいって、余裕はありません。

2005年1月13日

Discs of 2004

 実は去年大してレコードを買っていないんですが、間違いなくGreendayの♪American Idiotです。これは素晴らしいです。名盤です。以上です。
 あえて蛇足すると、これまでのグリーンデイのような荒削りっぽさや単調な感じは全くなく、極めて綿密に作りこまれています。まるで別のバンドが作ったかと思えるような充実度です。サウンドの感じとしては、私の好きな90年代の音楽の総集編、美味しいところ取りといったところでしょうか。
 1曲1曲が少しでも似ないように、かなり入念なアレンジがされています。今後のロックの流行りを決定付けたかな、と思うのが、2段階組曲とでも呼べそうなアレンジです。すでに、ロックでできるアレンジは出し尽くされているといっても過言ではないようで、どうしてもありきたりになってしまうのが21世紀の常です。しかし、これまでグリーンデイが1曲分としてきたアレンジ(コード進行など)を2曲分集め、このアルバムの1曲とすることで、かなりの跳躍度、ステージの違いを示しています。そして、それが違和感なくドッキングされているところがなお素晴らしいです。まあそういうアレンジは彼らの専売特許ではなく、横山君のソロの♪eight-hour-driveでもありましたけどね。比較して申し訳ないですが、グリーンデイのアレンジが意識的に使われており、数段優っています。このアルバムで私が最も好きな曲は、今日の気分で13曲目Whatsernameですかね。カラオケでも歌いたいです。
 番外編でRocket K(オフィシャルサイト)の♪RADIO GROOOVIE DRUNKERSを挙げます。今はそれほど聴いていませんが、去年はまあまあ聴きました。フジテレビの深夜番組でたまたまこいつらを見かけ、なかなか良かったので買いました。ややキャッチーすぎる(いわゆるベタすぎる)と感じ、大宮の視聴コーナーで悩みつつも、悩んだら買えという鉄則に従って良かった作品です。購入の決め手は、こいつらにとって音楽がなくなったら、時給700円のバイトもまともにできないくらいのダメ人間臭が漂ったからです。音楽で食える人間は、ある意味社会不適合者でないとダメ、ということです。何といっても値段が税込み2100円というのが素晴らしいです。そもそも日本のCDはだいたい3000円もするので、これじゃあ若者が買わなくなっても(違法ダウンロードがはびこっても)仕方ないと思います。アメリカでは新作のアルバムでも2000円払えばお釣りがかえってくるくらいの相場です。サウンドは、いわゆるポップでパンクでキャッチーな感じでしょうか。AFNで聞けるようなご機嫌なロックです。この手のノリは割と万人に受け入れられやすいと思います。また、全編英語の歌詞で、それもまた彼らのこだわり、チャレンジ精神として評価できます。私も日本語のロックは英語のロックとまるで別物であると考えている一人です。
 このアルバムはいわゆるインディ系の自社レーベル(こちら)から発売されています。私は別にインディ(ここでは、小規模な独立系レコード会社)とか国籍、性別、人種などで作品を判断することはありません。良いものはどれでも積極的に受け入れようとしていますし、そういう意味では割と寛容・無関心です。
 ただし、インディゆえのB級っぽさも漂っていることは否定できません。歌詞カードがない(メールで送信してもらえます)のはコストカットのためでしょうか。邦盤のオリジナル作品では初めてでした。勘弁してください。 まずメロディーに英語を乗せる技術が、私の知っている日本人ではダントツ下手くそです(最も上手いと思うのがCocco。天才的の領域に入る)。早すぎて何言っているのかよくわからなかったり、韻も踏んでいないし(踏まなければならないというわけでもないが)、歌詞も2番まで書くボキャブラリーがないのか、歌詞というよりは日記というような感じ・・・、これら全て英語力の乏しさが原因となっているのでは、と思われます。これをカラオケで歌おうとするには、ちょっと抵抗があります。少なくとも私にいちゃもんつけられないためには、数ヶ月レベルの海外生活を経験すると、もっと表現力がアップすると思います。ちなみに、ベース以外はアレンジがちょっと単調です。
 私の好きなハイスタもレコード会社を作って、自分たちでプロモーションやら何やらを手がけていました。ハイスタとRocket Kの共通点として、やはり勢いがあるということです。それはロックにとって最も重要な要素のひとつであり、成熟したグリーンデイにはやや出しにくいところと言えばそうです。合法的な視聴もできるので、ぜひお聞きください。

2005年1月5日

勝手に2004AWARD~ブック編

 本日の日経新聞に2004年の名商品(?)を賞賛する企画がありました。その表彰が2月に行われるということなので、私もあきらめず去年の記憶に残ることを振り返りたいと思います。私個人としては別に2004年も2005年も大きな違いはありませんが、何となく事をすっきりするには良い機会かな、と思っています。
 まずは、ザ・ブック・オブ・ザ・イヤーということです。私は学生なのでいろいろ本を読むことが仕事です。マニアックな専門書も読み、特に2004年に発売されたものでもないのですが、皆様にもわかるような個人的に感慨深い本を紹介します。
 それはもちろん、私が敬愛するアーセン・ベンゲル監督の「勝者のエスプリ」と「勝者のヴィジョン」です。サッカーという最も国際的なスポーツのひとつにおける国際コミュニケーション、海外におけるガイジン、といったむしろサッカーを通じて人間は海外でどう振舞うべきかといった人間の本質に関わる話です。一文一文が非常に質が高いです。この本には小難しいサッカーの専門用語などほとんど出てきません。特別サッカーに詳しくなくても容易に読破することができます。今更の紹介ですが、サッカーファンならば、必読の書と言えます。古本屋でも比較的入手しやすいと思われます。