2006年9月30日

修士論文つれづれ

 修士論文が本格的に忙しくなってきました。後期始めのゼミでいきなり発表、12月の中間報告まで月一度以上のペースで発表があります。幸いまともに出席すべき授業は一つくらいしかありませんが、それでも今から相当の覚悟がいります。
 今院生生活を振り返ると、大まかに次のようなステップに分けられます。①とにかく恐ろしいまでに厳しい授業に無我夢中で追いつくのにやっとだったころ(ついこの間までか、今もそうかも)、②ようやく英語で書かれた経済学の教科書に慣れた頃(今もそうかも)、③学術論文独特のロジックの展開に慣れてきた頃(今現在)、④研究目的に応じて、適切な論文を探し理解すること、またそのための手段(先生や先輩、インターネットなど)を確立すること(現在)、といった感じです。
 自分の修士論文のテーマについては、しばしば前のレベルに戻ることはあるとはいえ、すでに④のレベルで格闘しているという感じです。しかし、また別のテーマになれば②くらいからリスタートでしょうね。ただ、一度流れを掴んでいるので、より短時間で済むと思います。
 修士2年間の75%が終わりましたが、とにかく全力で突っ走ってきた感じです。残り25%ラストスパートです。
 用件は、4日のガーナ戦は多分日曜日にビデオ観戦予定ですので、専門誌を読んでからくらいの感覚でいてください。

2006年9月8日

平山の帰国に思うこと

 少し前に書き始めて放置プレイ、そしてようやく書き上げたのかどうかわかりませんが、公開です。
 私は彼のオランダでのプレイを実際に見たことがありません。私の知っている限り、昨シーズンはチームの得点王となったものの、代理人との揉め事などで次第に調子を落としてしまったようです。
 私自身、日本ではレアな大型ストライカーということで、アテネの頃から結構期待していました。しかし、ホームシックになって帰国し、筑波大学に復学したいなどというのにはちょっと信じられないです。 サッカー選手としての現役生活は非常に短く、また厳しい競争社会であることから、サッカーだけに専念しても成功するかどうかは不確実です。学業に関して言えば中田ヒデが言うように、志を高く維持してさえいれば、勉強は30過ぎてからでもできると私も思います。実際私の大学院(大卒でないと入学できません)には、私の両親くらいの年齢の方もいますし、30歳前後の社会人も全体の20~30%くらいいます。何事もはじめるのに遅すぎるということは絶対にありません。要は気合いの問題です。
 彼はオランダ語の習得を怠り、オランダ社会に溶け込めなかったようです。私が応援するベルマーレにもたくさんの外国人選手が来ては早々に帰国しますが、日本の文化に馴染めず、試合に出られず、私生活でも仕事でも孤立し、最終的に日本から徹底を余儀なくされます。
 関東人にとって、大阪はある程度外国です。言葉も違うし、食べ物も若干違うし、ラテンの雰囲気は関東ではあまり見られません。私はこの文化に溶け込もうと、まずは関西人が食べる焼きそばやお好み焼きを進んで食べ、関西人より笑いの取れる関東人を目指しました。少なくとも、勉強以外のことでここに溶け込めないことだけは避けるようにしました。
 これまで何人かの日本人選手が海外でのプレイに挑戦してきました。成功しなかった例の方が多いのかもしれませんが、少なくとも弱音を吐いて自分から投げ出してしまった選手はいないと思います。苦しんできた日々は、サッカー選手を引退してからも人生の糧になるはずです。大学に復学すると軽々しく言える程度の覚悟ならば、プロサッカー選手としての精神的タフネスに支障があるような気がしてなりません。
 サッカーの本場の文化に溶け込めなくて、プロサッカー選手として悔しくないのか疑問です。サッカー以外のことでサッカーに集中できなくなってしまったのは非常に残念な話です。彼もアテネオリンピックで思い知らされたからこそ、欧州でプレイすることに挑戦したはずです。その初心はどこへ行ってしまったのか、簡単に弱音を吐くような選手はJリーグでも通用するとは思えません。
 彼も失意のどん底で正直な気持ちを言っているだけで、えらそうに第三者の私が批判するのも承知していますが、サッカーがダメだったから勉強するなどという中途半端な気合いで、学業などまともに達成できるはずがありません。私はただのサッカー小僧で、道を踏み外して人生にかなり妥協して大学院生をやっています。とにかく、私がサッカーから学んだことは、今の勉強に対する姿勢や気合いとして役に立っていると確信しています。

2006年9月3日

Freakonomics ヤバい経済学

 今更、という感じですが、知人に借りて読ませていただきました。邦訳では『ヤバい経済学』というタイトルですが、これはすごいです。はっきりいって面白いです。
 この本を読んで私もこれが経済学か、とは正直思いました。何がヤバいかといえば、良くも悪くも誰もやったことがないテーマに取り組んでいることでしょう。相撲の八百長とか、日本では暴露した元相撲関係者が暗に抹殺された可能性もあるような危険なテーマに取り組んでいることです。しかも、我々が暗にタブーと思いこんでいたトピックや結論を平気でジャーナルに投稿してしまうところがすごいです。しかも、載っているジャーナルがトップ5くらいに入るクオリティの高さです。あと、インセンティブの観点から考える、というのは先日の独り言で述べたのと同じです。
 私もどちらかといえばトリッキーな部類の修士論文を書いていると思いますが、Levittの論文は異端中の異端のようなテーマです。だから、悪く思う人は、トリビアみたいな内容だ、と批判するかもしれません。もし、Levittの論文を読んでみたいと思った方、私は読んだことありませんが(相撲の八百長の話はプリントアウトしました)、基本的に英語力と統計や計量経済学といった専門的知識、そしてテーマの背景となる知識が必要となります。
 検索方法はgoogle scholarで、彼の名前や彼の論文のタイトルを打ちます。おそらく学校以外の環境でフリーでダウンロードできるのはwoking paper(ようはドラフト版みたいなもの)だけかと思われます。例えば、彼の名前で検索すると(こちら)いろいろヒットするので、興味のある方は挑戦してみてください。
 ただし、この「ヤバい経済学」自体はこういった専門的知識を全くといっていいほど必要としません。このようなアプローチが経済学の王道だと思われるとちょっと違うのですが、新しい分野を切り開いているという意味では非常に興味深い本だと思います。研究者にとっても論文のネタになりやすいし、ある意味最先端(フォロワーがいるのかどうか・・・)なので、要注目です。

2006年9月1日

YUKIのソロ②

 先日修士論文で悩む友人のためにつっぱり桃太郎を買ってあげようとブックオフ箕面市役所前店まで出向き、YUKIのソロ"PRISMIC"が1050円と格安だったので入手しました。
 自分のJ-POPに対する偏見でどれだけもったいないことをしてたかと思うほど、驚くべきクオリティでした。コラボレーションということでややまとまりのなさがなきにしもあらず、ソロということで何となくバンドほどエネルギッシュではないという感じ(だいたいソロはこんな内向的な感じ)ですが、とにかく声が良いし、曲も素晴らしいし、強くおすすめしたいです。ジャケットの感じがBernard ButlerのPeople Move Onにどことなく似ているような似ていないような。
 早速amazonで新作waveを予約しました。別にamazonの回し者ではありませんが、予約すると15%引きです。しかも洋書を買った時の500円引きクーポン券で良い買い物ができました。皆様もぜひどうぞ。
 あと、つっぱり桃太郎はB級のくせに400円もしたので、立ち読みだけで済ませました。B級作品は嫌いではないですが、こんなB級な物はあえて買う必要はないという判断でした。わざわざボランティアで買いに行ったのに、修士論文で落ち込む友人に散々文句を言われ(あのB級のクオリティがわからんのかと)、善意で買い物に行ったのにしょぼーんとしました。
 それにしても、私のサーチ不足があるにせよ東京の方が中古市場が充実しているような気がします。やっぱり東京の方が流通が優れているのでしょうか。