2006年9月8日

平山の帰国に思うこと

 少し前に書き始めて放置プレイ、そしてようやく書き上げたのかどうかわかりませんが、公開です。
 私は彼のオランダでのプレイを実際に見たことがありません。私の知っている限り、昨シーズンはチームの得点王となったものの、代理人との揉め事などで次第に調子を落としてしまったようです。
 私自身、日本ではレアな大型ストライカーということで、アテネの頃から結構期待していました。しかし、ホームシックになって帰国し、筑波大学に復学したいなどというのにはちょっと信じられないです。 サッカー選手としての現役生活は非常に短く、また厳しい競争社会であることから、サッカーだけに専念しても成功するかどうかは不確実です。学業に関して言えば中田ヒデが言うように、志を高く維持してさえいれば、勉強は30過ぎてからでもできると私も思います。実際私の大学院(大卒でないと入学できません)には、私の両親くらいの年齢の方もいますし、30歳前後の社会人も全体の20~30%くらいいます。何事もはじめるのに遅すぎるということは絶対にありません。要は気合いの問題です。
 彼はオランダ語の習得を怠り、オランダ社会に溶け込めなかったようです。私が応援するベルマーレにもたくさんの外国人選手が来ては早々に帰国しますが、日本の文化に馴染めず、試合に出られず、私生活でも仕事でも孤立し、最終的に日本から徹底を余儀なくされます。
 関東人にとって、大阪はある程度外国です。言葉も違うし、食べ物も若干違うし、ラテンの雰囲気は関東ではあまり見られません。私はこの文化に溶け込もうと、まずは関西人が食べる焼きそばやお好み焼きを進んで食べ、関西人より笑いの取れる関東人を目指しました。少なくとも、勉強以外のことでここに溶け込めないことだけは避けるようにしました。
 これまで何人かの日本人選手が海外でのプレイに挑戦してきました。成功しなかった例の方が多いのかもしれませんが、少なくとも弱音を吐いて自分から投げ出してしまった選手はいないと思います。苦しんできた日々は、サッカー選手を引退してからも人生の糧になるはずです。大学に復学すると軽々しく言える程度の覚悟ならば、プロサッカー選手としての精神的タフネスに支障があるような気がしてなりません。
 サッカーの本場の文化に溶け込めなくて、プロサッカー選手として悔しくないのか疑問です。サッカー以外のことでサッカーに集中できなくなってしまったのは非常に残念な話です。彼もアテネオリンピックで思い知らされたからこそ、欧州でプレイすることに挑戦したはずです。その初心はどこへ行ってしまったのか、簡単に弱音を吐くような選手はJリーグでも通用するとは思えません。
 彼も失意のどん底で正直な気持ちを言っているだけで、えらそうに第三者の私が批判するのも承知していますが、サッカーがダメだったから勉強するなどという中途半端な気合いで、学業などまともに達成できるはずがありません。私はただのサッカー小僧で、道を踏み外して人生にかなり妥協して大学院生をやっています。とにかく、私がサッカーから学んだことは、今の勉強に対する姿勢や気合いとして役に立っていると確信しています。

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