2006年9月3日

Freakonomics ヤバい経済学

 今更、という感じですが、知人に借りて読ませていただきました。邦訳では『ヤバい経済学』というタイトルですが、これはすごいです。はっきりいって面白いです。
 この本を読んで私もこれが経済学か、とは正直思いました。何がヤバいかといえば、良くも悪くも誰もやったことがないテーマに取り組んでいることでしょう。相撲の八百長とか、日本では暴露した元相撲関係者が暗に抹殺された可能性もあるような危険なテーマに取り組んでいることです。しかも、我々が暗にタブーと思いこんでいたトピックや結論を平気でジャーナルに投稿してしまうところがすごいです。しかも、載っているジャーナルがトップ5くらいに入るクオリティの高さです。あと、インセンティブの観点から考える、というのは先日の独り言で述べたのと同じです。
 私もどちらかといえばトリッキーな部類の修士論文を書いていると思いますが、Levittの論文は異端中の異端のようなテーマです。だから、悪く思う人は、トリビアみたいな内容だ、と批判するかもしれません。もし、Levittの論文を読んでみたいと思った方、私は読んだことありませんが(相撲の八百長の話はプリントアウトしました)、基本的に英語力と統計や計量経済学といった専門的知識、そしてテーマの背景となる知識が必要となります。
 検索方法はgoogle scholarで、彼の名前や彼の論文のタイトルを打ちます。おそらく学校以外の環境でフリーでダウンロードできるのはwoking paper(ようはドラフト版みたいなもの)だけかと思われます。例えば、彼の名前で検索すると(こちら)いろいろヒットするので、興味のある方は挑戦してみてください。
 ただし、この「ヤバい経済学」自体はこういった専門的知識を全くといっていいほど必要としません。このようなアプローチが経済学の王道だと思われるとちょっと違うのですが、新しい分野を切り開いているという意味では非常に興味深い本だと思います。研究者にとっても論文のネタになりやすいし、ある意味最先端(フォロワーがいるのかどうか・・・)なので、要注目です。

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