2007年6月20日

ドリカムと株価の関係に反論中

というわけで、ドリカムと株価の記事に反論(こちら)の続きです。
今回は新聞記事(こちら)に対するもので、短いです。


《テレビアニメ「サザエさん」の視聴率が上がると、株価は下がりやすい》
 視聴率が高いということは、休日夜の早い時間から在宅者が多いということ。外食などして活発に動き回っておらず、人々の心理は前向きとはいえない。

この因果関係は謎ですね。
確かに外食すれば、外食産業の株価が上がってもおかしくありません。実際、週末こそ混雑しているレストランは少なくないですからね。
家族と団らんすることは、前向きな気持ちになる大切な時間と解釈できないのでしょうか。


《宝くじ人気が高まれば株価は下がる》
 宝くじ人気の上昇は「一発あてて会社を辞めよう」などという現実逃避の意識の高まり。人々の心理は後ろ向き。


株価人気の上昇は「一発あてて会社を辞めよう」などという現実逃避の意識の高まり。とも言えそうですけどね。宝くじと株価が代替的な存在だとすれば(同じ博打の対象)、家計の財布から、宝くじにより多く投資すれば、その分株式に投資できなくなるので、その結果株価は下がるのかもしれません。

《英会話学校とフィットネスクラブを比べ、前者に通う人の割合が増えれば、株価は下がる》
 英会話学校に通う理由の一つは「手に職をつけよう」といった不安感。

これも謎ですね。そもそも英会話学校に通うことで獲得できるスキルというのは英語でしょうけど、それを生かせる仕事というのは、英語の先生、通訳、翻訳などごく限られた職業に他ならないと思います。
あくまで私見ですが、英会話スクールに通う友人も何人かいますが、彼らの目的は英語を楽しむ、英語が好きな友人を作る、といったことが大きいようです。別に転職のためではないようです。
フィットネス・クラブに通う友人も何人かいますが、単純に健康のためや運動を楽しむためのようです。別に鍛えられた身体能力が求められる職業(スポーツ選手、消防士、肉体労働者)になろうとするわけではありません。

《東京ディズニーランドの入場者が増えれば株価が上がる》
 ディズニーランドで遊ぶにはお金もかかるし、歩き回るエネルギーも必要。気持ちの余裕や積極性が要る。

ディズニーランド自体は、最低限の生活を営む上では必要ないものです。したがって、ディズニーランドに通う人が増えている背景には、(可処分)所得の増加があるかもしれません。その他にも、消費や株式投資を増やす金銭的余裕があると推測されます。
まあ会社に行くにも何するにしても、エネルギーや積極性が必要ですよね。忙しいビジネスマンにとって、ただゆっくり休んで疲れを抜くことも、相当な積極性と気持ちの余裕が求められるかもしれません。
まとめ
こういうのに一つ一つ反論してもきりがないので、もうやめます。
相関係数だけで議論したいのならば、時系列や単位のそろった変数を闇雲に集めて、その相関係数行列をはじき出して、そのうち高いものをピックアップしてもっともらしいストーリーを後付けすれば、この手の主張はいくらでも生み出せます。
ごく数枚程度のレポートならばともかく、この結果をベースに議論を発展させていくと、前後の分析結果に整合性がなくなる(矛盾が出てくる)可能性があります。厳密に検証すべき仮説(分析目的)を設定し、それに最も適切な手法を選択しない限り、その結果は十分に信用できるものではない(つっこみどころが残されている)と批判されるかもしれません。当然、吉野氏のような雑な仮説に対して闇雲に計算した相関係数だけでは何もいえるわけがないです。

とちんたら反論していたら、今度はドリカムではなくてサザンオールスターズですか(こちら)。

ちなみに、何人かの友人にこのブログを紹介したら、暗に「もっとやれ!」といった指示というか、煽りというか、挑発というか、ありがたいメッセージというか、他人事だからなのか、とにかくご意見をいただきました。まあもう一回くらいならば、まともに反論できる余地はありそうな気がしますけどね。
それよりも、どうやってこのシリーズを終わらせるべきかの方が不安です。

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