2007年3月1日

旅行五日目 3/1

8時起床
早いもので、もう韓国滞在五日目である。
韓国語の勉強とホストファミリーの温かいご指導のおかげで、ハングルがようやく記号から文字に見えてきた。
夕方、Kyoung Juneさんが西面で働いているにもかかわらず、わざわざ沙下まで迎えに来てくださり、再度西面に向かった。NIKEショップで韓国代表のユニフォームを買うためだ。
西面は日本でいう原宿や渋谷みたいなところで、非常に人が多くごみごみしている。実際にポイ捨てがひどかったり、やたら屋台が多い(なぜかたこ焼きもあった。)ので、これぞカオスといった印象を受ける。ただ、釜山を旅行する日本人が少しお洒落な買い物をするならば、ここに来るのが良いと思う。というか、他に選択肢が少ないかもしれない。
昨日までの話では、私が韓国代表を応援する赤いTシャツを買う予定だったような気がしないでもないが、結局彼がホームの韓国代表のオフィシャル・ユニフォームをプレゼントしてくれた(朴智星の名前と背番号入り)。確か85000ウォンだった。白いパンツ(下のズボンのこと)が欠品ということで、インターネット・カフェで別のスポーツ用品店を探し、何件も電話してくれた。それでも見つからなかったので、「では、アウェイの白いユニフォームを買いましょう」という話になった。しかし、さすがにそこまではまずいし、また日本人が日本代表のユニフォームを一枚も持っていないのに(Tシャツはある)韓国代表のオフィシャルユニフォームを2枚も持っているのもどうかと思い、丁重に断らせていただいた。
彼には、日本で格闘技が流行っているので、今度は私の家に泊まって下さいと話した。しかし、彼は兵役の代わりにパブリック・サービスに従事しているせいで、2009年2月まで海外旅行に行くことはできないとのことだ。すぐに日本の招待して、後楽園ホールに連れて行こうと夢見ていた私は絶句した。
その代わりに、韓国では入手が難しい日本の格闘技グッズをプレゼントすることを約束した。そして実際に山本KIDのTシャツをプレゼントした。

その夜は、Chun Aeさん(と彼女の次男)と彼女の同僚のHee Jooさんに焼肉ディナーに招いていただいた。毎日のように焼肉を食べているような気がしないでもないが、これが韓国式の歓迎の方法なので、これほどありがたいことはない。
韓国は日本の隣の国だからなのか、釜山が日本に近い都市だからなのか、それとも私の韓国における人脈が特殊だからなのか理由はよくわからないが、Hee Jooさんも日本語がぺらぺらだった。おそらく彼女は私より少し年上で、私の前の彼女と同じくらいの年齢(28か29くらい)に思えた。Kyoung Juneさんが勇気を出して(無神経で?)年齢を聞いたら、怒られてしまった。女性の年齢は韓国でも聞いてはいけないようだ。seniority systemは韓国において非常に重要だ。
彼女は日本に六回も(!)旅行したことがあり、日本人の友人の家に半年くらい居候(?)の長期滞在も経験しているらしい。そして、韓国が寂しくなったから帰国したとのことだ。
次の日に彼女と彼女の友人に連れられて慶州に行くことになった。相手はカップルらしく、事実上のダブルデートなので、若干後悔した。しかし、慶州は昔の新羅で、日本でいえば京都のような場所だ。最近の私の好みがクラシックな物ということもあり、ぜひ連れていってもらうことにした。

焼肉歓迎終了後、Leeさんの祖父母に会う。私は日本酒などのお土産を渡し、またもやたいそうな歓迎を受けた。祖父母は日本での生活が数年間あり、戦争の前には日本の学校にも通っていたらしい。しかし、朝鮮戦争の徴兵のためにやむを得ず韓国に戻り、今に至るらしい。おばあさんも日本生まれなので日本語を話せるが(若干忘れている)、おじいさん(はらぼじ)の日本語は、私の知る限り、最強の部類である。最近のカタカナ言葉には弱いが、発音なども完璧で、日本人にしか思えなかった。
彼は日本がとても住みやすい国だと何度も繰り返し、日本人が礼儀正しいことに非常に深い敬意を抱いていた。経済的な豊かさの差を考えれば、韓国人は日本人をもっと見習うべきだ、とはっきりと言っていた。一般に、どこの国でもお年寄りこそ他の価値観を認めたがらない傾向にあると思う。しかし、彼は日本を心から尊重し、今でも日本語を話すことにこだわり、彼の心は日本にあるように思えた。
外国人にこれほどまでに日本をほめられることを聞いたことがない。フローラン・ダバディ氏の言葉を借りてこの気持ちを表現すれば、本当に腰が抜けそうになった。 単なるミーハー・レベルの親日家ではなく、実際に日本語を流暢に話し、外国にいながら日本を理解しようとする外国人がいるとは、夢にも思わなかった。
23時過ぎまでそんな話を続けた。飼っている犬(ぱぐ)が匂いの違う日本人に興奮したのか、ずっと私の周りをグルグルグルグル走り回ってほえ続けていた。そのせいで、お孫さんはちっとも眠れなかったらしい。
韓国では日本の衛星放送が普通に映る(視聴料金はどうなってるんだろうか)。彼は日本のNHKの喉自慢番組が大好きだそうだ。彼は京都に行きたいのだが、残念ながら足の具合が悪いせいで、残念ながら遠い日本までは来られないらしい。近い将来私が彼らを京都に招待して、温泉でも入りながらそんなテレビ番組を見てのんびりさせてあげたい。長生きしてください。

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