2007年2月27日

旅行三日目 2/27

移動距離が長くなりすぎたので、大事をとって本日は休む。
9時半起床、その後家族と団欒する昼に私が大阪駅で買ったお好み焼きとねぎ焼きのセットのうち、お好み焼きを作る。ここのお母さんは英語も日本語もできないものの、勘が鋭く、写真を見るだけで大体の料理の工程は理解してしまったようだ。最終的に私が必要な材料を翻訳しただけで、彼女はほとんど問題なくお好み焼きを作ることができた。
キャベツとネギをカットし、粉を混ぜるという作業は我々子供たちが行った。お好み焼き本体をひっくり返す作業をお母さんに担当してもらったが、非常に手際よくこなしていた。2枚のお好み焼きを作り、子供たちにも喜んでもらえるクオリティのお好み焼きができた。実は、出発前夜は母親とねぎ焼きのやまもと大阪EST-1店で食事した。それに勝るとも劣らない味だったと自負している。
基本的に韓国人の主婦は非常に謙虚というかいわゆる尽くしてくださる女性だと思う。まずは子供たち(私も含めて)に食事を食べさせ、それが終わってから一人で食事を始めることが多いのだ。私は一緒に食べましょう、とか、片づけを手伝おうとしたが、いずれも強く断られてしまった。彼女たちには私利私欲とか欲求というものがないのだろうか。唯一知っている情報が、彼女は揚げ物が好きだということだった。何かしらそれでお返しをしたいものだ。
午後から、インターネットで日本の文化(?)を教えようと、youtubeを引いてみる。なるべく日本語の壁を感じないようなものを探してみた。
まず、手始めにわかりやすそうなレイザーラモンHGを子供たちと一緒に見た。予想通り、かなり受けた。次男の方がHGをあまりに気に入ったのか、それ以来腰をカクカクさせて、フォーフォー叫ぶようになってしまった。私も面白かったし、長男の方も面白がっていたが、お母さんはあまり良い顔をしていなかった。これは私の責任だろうか。
次に、ガレッジセールのゴリが落武者というダメキャラを演じるコメディ(?)を思い出して検索してみた。偶然にも韓国編があった(こちら)。
(以下ネタばれなので、この番組をご覧になってから読んでください。)






タゾーっ(5!)と叫ぶところも爆笑だったが、子供たちが一番笑っていたのは上官に対して「あいげっさー(わかったか!)!」と発言した時だった。
韓国は日本以上に厳しい序列社会で、目上の立場の人に対して(学生にとって先生、子供にとって親など)失礼な言葉遣いをすることは、まずありえない。特に年長者を尊敬することは(おそらく世界各地でそのような考えがあるにせよ)、韓国では極めて重要なことであり、これができないと韓国の生活に著しい支障が発生する可能性があるくらいだ。 後でお父さんにもこの動画を見てもらったが、兵役を経験している人からすれば、こんな無礼な言葉遣いは絶対にありえないと言っていた。だからこそ面白いわけだ。
また、日本人(この場合ガレッジセールのゴリ)が韓国語を話すということに対しても、彼らは非常に強い関心を持っているのではないか。
日本人にとって、いわゆる外人(見た目が我々と違うアメリカ人など)が日本語を話すと、我々は好奇心をそそられるものだと思う。日本人以上に日本語の上手な外国人もいるし、これはある種の偏見なのかもしれないが、日本人は概して非日本人が日本語を話すことを嬉しく思うものだ。
韓国人にとって、いわゆる日本人が韓国語を話すことはこれ以上に興味深いのかもしれない。我々がアメリカに対してひそかなコンプレックスを抱いているのと同じように、韓国人もまた日本に対して何かしらコンプレックスを持っていたり、暗にお隣の日本は自分たちより豊かな国であることを実は認めていると感じることがある。


その後、子供たちとサッカーをする。彼らの住む団地の隣が彼らの通う小学校で、そのグラウンドを勝手に日本人が走り回っていた。といっても、3人しかいなかったので、軽くボールをけって、シュートの仕方を教えたりしただけだった。
長男が塾の春期講習みたいなものに参加しているというので、お母さんがレンタルビデオ屋(DVDではない!)に行きましょう、と提案した。日本のアニメーションを借りようということで、もののけ姫をレンタルした(確か1000ウォン)。私は数回見たことがある。これが正規品なのかどうかよくわからないが、なぜか上下巻の2本セットだった。次男はやや難解なテーマということで、途中で飽きてしまったようだ。
夜はお父さんが早く帰宅したので、結婚のことをつっこむ。新婚旅行は済州島(韓国では新婚旅行のメッカらしい)に二泊三日で行ったらしく、当時の写真を見せてもらった。お父さんは結構ハンサムで、お母さんも結構美しい女性であることがわかった。ちなみに、今私の叔母が済州島に興味を持っており、私もぜひ行ってみたいと思っている。
私は英語で、お父さんに「彼女と初めて会った時に、将来自分の嫁さんになると思いましたか?」と聞いた。お父さんは「いや、全然!」とそっけない返事だった。「どうして彼女をお嫁さんにしようと思いましたか?」という質問に対しては、「美しく、料理が上手だから」と答えた。今度は逆に私が質問を受け、「どんなお嫁さんがいいの?」ということで「美しくて料理が上手な女性がいいです」と答えると、ジョークで「じゃあ日本につれて帰って良いよ」と言った。
そして、最初はどちらから誘ったのですか、という質問をすると夫婦で意見が一致せず、長らく夫婦間で韓国語のやり取りが続いた。この会話の基本的なスタイルは、私が英語で質問して長男が通訳をするというスタイルを採用していた。しかし、韓国語でもこの議論に収拾がつかなかったため、長男も混乱して「ah, difficult, difficult. No one knows」(難しくて、誰もわからない)としか訳せなくなった。
この結婚の話は、家庭を大切にする韓国の夫婦ならば、きっと快く話してくれるトピックだと思っていた。実際そうだったのだが(特にお母さんはそうだったように見えた)、少し昔の話なので、お互いの記憶に違いがあり、案外期待した返答がなかった。外国人との会話はなかなか難しい。他にも、お父さんに人生にとって重要なことを聞き、「家族、お金、仕事の順だよ」と言っていた。
お父さんは必ずしも英語が堪能ではないが、私の英語を思い込みで答える傾向があり、何度か答えが意味不明で通訳が必要なこともあった。英会話を勉強する日本人も、彼の度胸くらいは少しくらい学んだ方が良い。完璧な英語を喋るよりも、必死で伝えようと単語を並べるだけでもはっきりと伝えることで、英会話は何とかなったりするものだ。

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